Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
おばあさんは長刀ほおずきを鳴らすのが好きで、
「おッさん、あっしにも一本おくれよ。おやおや、こりゃばかにいいんだね。」
なんて、楽しんで、さきを切ってもらって器用に鳴らした。丈が二寸からある、長刀ほおずきは、その時分でも一本一銭五厘から二銭位した。
その坊主頭の盲目のおばあさんが、キンボウとヤイチャンを前にならべて、銹た渋いのどで唄の素稽古をする。そばで聞いていて二絃琴の唄はすっかり暗唱しているのだ。おッさんの――おしょさんというのがそうきこえる――あすこんとこは巧いね、好い節だなんていう。この坊さん昔はよっぽどそれ者だったのに違いない。横網河岸の備前家(今の安田公園の処)のお妾お花さんが、毎日水門から屋根船を出して、今戸河岸の市川権十郎の家へいったのでお家騒動が起り、大崎の下邸へ移転するという噂から、この坊さんもそんなような前身で、大崎の下邸には由縁のお墓もあるといった。
「御前様はお美しい方だったね、殿様が知事様におなりになった時、御一所にお立になるので両国の店の前で、ちょいと御挨拶もうしあげた時見上げた事があるけれど、大きなお眼で、真っ黒なお髪に、そりゃあ鼈甲の笄がテラテラして、白襟に、藍色の御紋附きだったけれど、目が覚めるようだった。