Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんちゅう
春昼・春昼後刻
泉 鏡花
Lesen Sie 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.079 Zeichen · 102 Bildschirme
」
「唯、客人――でお話をいたしましょう。その方が、庵室に逗留中、夜分な、海へ入って亡くなりました。」
「溺れたんですか、」
「と……まあ見えるでございます、亡骸が岩に打揚げられてござったので、怪我か、それとも覚悟の上か、そこは先ず、お聞取りの上の御推察でありますが、私は前申す通り、この歌のためじゃようにな、」
「何しろ、それは飛んだ事です。」
「その客人が亡くなりまして、二月ばかり過ぎてから、彼処へ、」
と二階家の遥なのを、雲の上から蔽うよう、出家は法衣の袖を上げて、
「細君が引越して来ましたので。恋じゃ、迷じゃ、という一騒ぎござった時分は、この浜方の本宅に一家族、……唯今でも其処が本家、まだ横浜にも立派な店があるのでありまして、主人は大方その方へ参っておりましょうが。
この久能谷の方は、女中ばかり、真に閑静に住んでおります。」
「すると別荘なんですね。」
「いやいや、――どうも話がいろいろになります、――ところが久能谷の、あの二階家が本宅じゃそうで、唯今の主人も、あの屋根の下で生れたげに申します。
その頃は幽な暮しで、屋根と申した処が、ああではありますまい。