Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しゅんちゅう
春昼・春昼後刻
泉 鏡花
Lesen Sie 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.079 Zeichen · 102 Bildschirme
九
「この玉脇……とか言う婦人が、」
と、口では澄ましてそう言ったが、胸はそぞろに時めいた。
「なるほど、今貴下がお話しになりました、その、御像のことについて、恋人云々のお言葉を考えて見ますると、これは、みだらな心ではのうて、行き方こそ違いまするが、かすかに照らせ山の端の月、と申したように、観世音にあこがるる心を、古歌に擬らえたものであったかも分りませぬ。――夢てふものは頼み初めてき――夢になりともお姿をと言う。
真個に、ああいう世に稀な美人ほど、早く結縁いたして仏果を得た験も沢山ございますから。
それを大掴に、恋歌を書き散らして参った。怪しからぬ事と、さ、それも人によりけり、御経にも、若有女人設欲求男、とありまするから、一概に咎め立てはいたさんけれども。あれがために一人殺したでござります。」
聞くものは一驚を吃した。菜の花に見た蛇のそれより。
九
「まさかとお思いなさるでありましょう、お話が大分唐突でござったで、」
出家は頬に手をあてて、俯いてやや考え、
「いや、しかし恋歌でないといたして見ますると、その死んだ人の方が、これは迷いであったかも知れんでございます。