Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅんちゅう 

春昼・春昼後刻

泉 鏡花

Lesen Sie 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.079 Zeichen · 102 Bildschirme

Aozora Bunko

十七

「蛇がいましょう、」

と唐突に尋ねた。

「お嫌いか。」

「何とも、どうも、」

「否、何の因果か、あのくらい世の中に嫌われるものも少のうござる。

しかし、気をつけて見ると、あれでもしおらしいもので、路端などを我は顔で伸してる処を、人が参って、熟と視めて御覧なさい。見返しますがな、極りが悪そうに鎌首を垂れて、向うむきに羞含みますよ。憎くないもので、ははははは、やはり心がありますよ。」

「心があられてはなお困るじゃありませんか。」

「否、塩気を嫌うと見えまして、その池のまわりには些ともおりません。邸にはこの頃じゃ、その魅するような御新姐も留主なり、穴はすかすかと真黒に、足許に蜂の巣になっておりましても、蟹の住居、落ちるような憂慮もありません。」

十七

「客人は、その穴さえ、白髑髏の目とも見えたでありましょう。

池をまわって、川に臨んだ、玉脇の家造を、何か、御新姐のためには牢獄ででもあるような考えでござるから。

さて、潮のさし引ばかりで、流れるのではありません、どんより鼠色に淀んだ岸に、浮きもせず、沈みもやらず、末始終は砕けて鯉鮒にもなりそうに、何時頃のか五、六本、丸太が浸っているのを見ると、ああ、切組めば船になる。