Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんちゅう
春昼・春昼後刻
泉 鏡花
Lesen Sie 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.079 Zeichen · 102 Bildschirme
いまだ昼前だのに、――時々牛の鳴くのが入交って――時に笑い興ずるような人声も、動かない、静かに風に伝わるのであった。
フト耳を澄ましたが、直ぐに出家の言になって、
「大分町の方が賑いますな。」
「祭礼でもありますか。」
「これは停車場近くにいらっしゃると承りましたに、つい御近所でございます。
停車場の新築開き。」
如何にも一月ばかり以前から取沙汰した今日は当日。規模を大きく、建直した落成式、停車場に舞台がかかる、東京から俳優が来る、村のものの茶番がある、餅を撒く、昨夜も夜通し騒いでいて、今朝来がけの人通りも、よけて通るばかりであったに、はたと忘れていたらしい。
「まったくお話しに聞惚れましたか、こちらが里離れて閑静な所為か、些とも気が附ないでおりました。実は余り騒々しいので、そこを遁げて参ったのです。しかし降りそうになって来ました。」
出家の額は仰向けに廂を潜って、
「ねんばり一湿りでございましょう。地雨にはなりますまい。何、また、雨具もござる。芝居を御見物の思召がなくば、まあ御緩りなすって。
あの音もさ、面白可笑く、こっちも見物に参る気でもござると、じっと落着いてはいられないほど、浮いたものでありますが、さてこう、かけかまいなしに、遠ざかっておりますと、世を一ツ隔てたように、寂しい、陰気な、妙な心地がいたすでは