Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんちゅう
春昼・春昼後刻
泉 鏡花
Lesen Sie 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.079 Zeichen · 102 Bildschirme
手帳の枚頁は、この人の手にあたかも蝶の翼を重ねたようであったが、鉛筆で描いたのは……
一目見て散策子は蒼くなった。
大小濃薄乱雑に、半ばかきさしたのもあり、歪んだのもあり、震えたのもあり、やめたのもあるが、○と□△ばかり。
「ね、上手でしょう。此処等の人たちは、貴下、玉脇では、絵を描くと申しますとさ。この土手へ出ちゃ、何時までもこうしていますのに、唯いては、谷戸口の番人のようでおかしゅうござんすから、いつかッからはじめたんですわ。
大層評判が宜しゅうございますから……何ですよ、この頃に絵具を持出して、草の上で風流の店びらきをしようと思います、大した写生じゃありませんか。
この円いのが海、この三角が山、この四角いのが田圃だと思えばそれでもようござんす。それから○い顔にして、□い胴にして△に坐っている、今戸焼の姉様だと思えばそれでも可うございます、袴を穿いた殿様だと思えばそれでも可いでしょう。
それから……水中に物あり、筆者に問えば知らずと答うと、高慢な顔色をしても可いんですし、名を知らない死んだ人の戒名だと思って拝んでも可いんですよ。」
ようよう声が出て、