Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんちゅう
春昼・春昼後刻
泉 鏡花
Lesen Sie 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.079 Zeichen · 102 Bildschirme
「戒名、」
と口が利ける。
「何、何んというんです。」
「四角院円々三角居士と、」
いいながら土手に胸をつけて、袖を草に、太脛のあたりまで、友染を敷乱して、すらりと片足片褄を泳がせながら、こう内へ掻込むようにして、鉛筆ですらすらとその三体の秘密を記した。
テンテンカラ、テンカラと、耳許に太鼓の音。二人の外に人のない世ではない。アノ椿の、燃え落ちるように、向うの茅屋へ、続いてぼたぼたと溢れたと思うと、菜種の路を葉がくれに、真黄色な花の上へ、ひらりと彩って出たものがある。
茅屋の軒へ、鶏が二羽舞上ったのかと思った。
二個の頭、獅子頭、高いのと低いのと、後になり先になり、縺れる、狂う、花すれ、葉ずれ、菜種に、と見るとやがて、足許からそなたへ続く青麦の畠の端、玉脇の門の前へ、出て来た連獅子。
汚れた萌黄の裁着に、泥草鞋の乾いた埃も、霞が麦にかかるよう、志して何処へ行く。早その太鼓を打留めて、急足に近づいた。いずれも子獅子の角兵衛大小。小さい方は八ツばかり、上は十三―四と見えたが、すぐに久能谷の出口を突切り、紅白の牡丹の花、はっと俤に立つばかり、ひらりと前を行き過ぎる。