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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme

Aozora Bunko

それも随分ありそうなことである。しかし張子の虎が判らない。お浪が何のためにそれを盗み出したか。この理窟が考え出せない以上は、謎はやはりほんとうに解けないのであった。

午過ぎになって、多吉がきまりの悪そうな顔を見せた。かれの探索は半七の註文通りになかなか運ばないのであるが、その一部だけはどうにかこうにか洗い上げて来て、親分の前へ報告した。

「いや、御苦労。それで大抵あたりは付いたが、もうひと息のところだ。踏ん張ってやってくれ」と、半七は更になにかの注意を彼にあたえて帰した。

日が暮れるころに半七は伊勢屋へゆくと、お定は入口に立っていた。

「今晩は」と、かれは半七を見るとすぐに挨拶した。

「とうとう降り出したね」と、半七は傘のしずくを払いながら云った。「お浪がまた駈け出したというじゃあねえか」

「ほんとうにいろいろのことが続くので、なんだか忌な心持でなりません。家の人たちはお浪さんが殺したのだなんて云っていますけれど……」

「そりゃあ間違いだ。そんなことがあるもんじゃねえ」と、半七は笑いながら打ち消した。

「そうでしょうか」と、お定はまだ不安らしい顔をして、相手の眼色をうかがっていた。