Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
二
十両から十四五両なんていうばかばかしい飛び値がありますからね。流行物というものは不思議ですよ」
「まったく不思議だね」
話が済んで、惣八が帰りかけると、出合いがしらに十七八の小綺麗な女が帰って来た。かれは女中のお葉であった。其月は今年四十六で、五年まえに妻をうしなったので、その後は女中と二人暮らしである。お葉は千住の生まれで、女中奉公をしている女としては顔や形も尋常に出来ているので、主人が独り身であるだけに、近所でもとかくの噂を立てる者もあった。惣八も時々にかれにからかうことがあるので、きょうも下駄を穿きながら云った。
「やあ、お部屋さま、お帰りだね」
「若い者にからかってはいけない」と、其月はうしろからまじめに云った。
惣八は首をちぢめて怱々に門を出た。外にはもう雨がふり出していたが、お葉は傘を持ってゆけとも云わなかった。惣八が横町の角を曲がったかと思うころに、時雨は音をたてて降って来た。
二
それから半月あまりを過ぎた十二月のはじめに、お玉ヶ池に一つの事件が出来して、近所の人たちをおどろかした。松下庵其月の家で、主人は何者にか斬り殺されて、女中のお葉は庭の池に沈んでいたのである。