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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme

Aozora Bunko

そそのかした。彼女はお浪がふだんから病身に悩んでいるのを幸いに、うまくそそのかして駈け落ちさせて、あたかもお浪がその犯人であるかのように疑わせ、事件をいよいよこぐらかそうと試みたが、その小細工も失敗に終ったらしく、半七は飽くまでも自分に眼をつけているらしいので、うしろ暗い彼女はもう居たたまれなくなった。

彼女は江戸を立ち退くについても路銀が必要であった。もう一つには、吉助があとで何をしゃべるかも知れないという不安もあるので、彼女は吉助に路銀を才覚させて、一緒に連れて逃げるつもりで、下総屋からそっと吉助をよび出して、今夜高輪で落ち合う約束をして来たのであるが、相手は思ったほどの金を持って来なかった。さりとて自分の秘密を知っているたったひとりの彼を、江戸に残して置くのはどうも不安に堪えないので、お定は不意に自分の手拭を相手の首にまきつけて、お駒とおなじように押し片付けてしまった。

「亭主のかたきを取ったら、なぜ神妙に名乗って出ない」

奉行所でこう訊問された時に、かれは涙をながして答えた。

「わたくしが此の世に居りませんと、もう誰も松蔵の墓参りをしてくれる者がございませんから」