Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
しかしそれが勘ちがいであったことを、番頭も初めて発見した。かれらはいわゆる攘夷家の群れではなくて、ほんとうの攘夷家であるらしかった。彼等は口のさきで紋切り型の台詞をならべるのでは無くて、生きた証拠をたずさえて飛び込んで来たのであった。その血祭りという異人の首は、鮮血に染みたままで油紙のうえに据えられているのであった。度胸のいいのを自慢にしていた長左衛門も、だんだんに顔の色をかえて、何者にか押し付けられるように、その頭をおのずと下げた。もうこうなっては七分の弱味である。そのあいだ二、三度の押し問答はあったものの、所詮かれは攘夷家の請求する三百両の半額を謹んで差し出すのほかはなかった。侍共は渋々納得して帰った。帰るときに、形代であるから此の首を置いてゆくと云ったが、番頭は平にあやまって頼んで、この恐ろしい質物を持って帰ることにして貰った。
この報告をうけ取って、半七は溜息をついた。
「ふうむ。そりゃあ初耳だ。おれはちっとも知らなかった。だが、丸井ではなぜそれを黙っているのかな。そういうことがあったら、この時節柄、きっと届け出ろということになっているんだが……。