Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
これはきっとほんとうのことに相違ないとお粂は云った。半七もそう思った。
しかしこのことが自分の口から洩れたと知れては、自分も迷惑、初蔵も迷惑するであろうから、兄さんに如才もあるまいが、それはかならず内証にして置いてくれと、お粂は念を押して帰った。帰るときに、かれは更に念を押した。
「姉さん。二十一日にはきっとですよ。ぜひ五、六人さそってね」
二
半七は夕飯を早々にすませて、すぐに末広町の丸井の店をたずねた。丸のなかに井の字の暖簾を染め出してあるので、普通に丸井と呼び慣わしているが、ほんとうは井沢屋というのである。表向きに乗り込んで詮議をしては却って要領を得まいと思ったので、半七は番頭の長左衛門を表へよび出して小声で訊いた。
「どうもゆうべは飛んだことだったね」
むかしから質屋はとかくに犯罪事件にかかり合いの多い商売であるから、丸井の番頭は半七の顔をよく識っていた。
「もうお耳にはいりましたか」と、彼はすこし眉をよせながら云った。
「むむ、すこし聞き込んだことがある。そこで、番頭さん。あいつらのきまり文句で、これを他言すると仕返しに来るの、火をつけて焼き払うのというが、そんな心配は決してねえから、何もかも正直に云ってくれねえじゃあ困る。