Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
「お浜や。紋作さんのところへお客様」
来客と聞いて、お浜もよんどころなく立ち上がって、階子をあがって来る三十四五歳の芸人を迎えた。かれは紋作の兄弟子の紋七という男であった。
「お浜さん。いつも化粧していやはるな。初日まえで忙がしいやろ」
笑いながら挨拶して、紋七は長火鉢のまえに坐った。お浜が遠慮して起ったあとで、彼はにこやかに云い出した。
「気分はどうや。えろう悪いか」
かれは病気見舞に来たのであった。冠蔵と紋作との不和を知っている彼は、紋作がきのうから病気を云い立てにして稽古にはいらないのを疑って、よそながらその様子を見とどけに来たのであった。来てみると、果たしてさのみの容態でもないらしいので、彼は紋作に意見した。たとい冠蔵と不和であろうとも、それがために芝居を怠っては座元にも済まない。自分のためにもならない。信州の旅興行には自分は一座していなかったから、どっちが理か非かよくは判らないが、ともかくも仲間同士が背中合わせになっているのはどっちのためにも悪い。冠蔵とは仲直りさせるように私がうまく扱ってやるから、きょうは我慢をして稽古にはいれ。まあ、なんにも云わずにこれから一緒に行けと、苦労人の紋七は噛んでふくめるように云い聞かせた。