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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme

Aozora Bunko

ふだんからいろいろの世話になっている兄弟子が、こうしてわざわざ足を運んで来て、親切に意見をしてくれるのである。その厚意に対しても、紋作は強情を張っているわけには行かなくなった。もともとさしたる病気でもないので、結局かれは紋七の意見にしたがって、すぐに支度をして稽古にはいることになった。ふたりはお浜親子に見送られて小間物屋の店を出た。

楽屋へはいって、紋作はみんなと一緒に稽古にかかった。兄弟子が横眼でじろじろ視ているので、彼は気色のわるいのを我慢して冠蔵の師直と無事に打ち合わせをすませた。六段目までの稽古が済んで、もう討ち入りまでは用がないと、あとへ引きさがって煙草をすっていると、うしろから自分の腰を強く蹴って通るものがあった。楽屋がせまいので、大勢の人のうしろを通るのは窮屈に相違ないが、あまりに強く蹴られて紋作は勃然とした。

「誰だい」

振り返ってみると、それは衣裳をあつかっている定吉という者で、年はもう四十五六の、顔に薄あばたのある兎欠脣の男であった。かれはお浜の通っている衣裳屋の職人で、きょうも衣裳の聞き合わせのために楽屋へ来ているのであった。