Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
と、半七は訊いた。
三河屋は夫婦ともに揃っているが、これも近所では評判のいい家であると庄太は云った。殊にこの家は尾張屋よりも身代が大きいので、妹娘には婿を取って分家させる筈になっているのであるから、果たして素直に尾張屋へくれるかどうだか判らないとのことであった。
「そうか」と、半七はうなずいた。「じゃあ、三河屋へ手をつけるにも及ぶめえ。すぐに尾張屋のおかんという女を引き挙げろ」
「尾張屋の女中を引きあげるのですかえ」
「むむ。あの女がどうも胡乱だ。年は幾つで、どんな女だ」
「おかんは二十三で、五年まえから奉公しているんだそうですが、ちっとも江戸の水にしみねえ女で、どうみても山出しですよ」
「おかんは日光、重吉は宇都宮、おなじ国者だな。女は二十三、男は二十一。よし、わかった。おれも一緒に行く。すぐにその女を番屋へ連れて来てくれ」
二
尾張屋のおかんは町内の自身番へよび出されて、半七の吟味をうけた。かれは庄太の報告の通り、見るから田舎者らしい。小太りに肥った女であるが、容貌もまんざら悪くはない。殊に色白の質であるので、二十三という年よりも若くみえた。ふだんから無口の女であるということであったが、殊にこの場合、かれは極めて神妙にして、いかなる問いに対しても努めてことば寡なに答えていた。