Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
武家屋敷の中間などのうちには、生きた蛇を食うというような乱暴者もあるんですが、なにしろ斯うたくさんの蛇がうず高く盛りあがっていては、さすがに気味を悪がって唯ながめているばかり。そのうちに夏の日も暮れかかって、天竜寺の暮れ六ツがきこえる頃、そこへ一人の若い娘が来ました。
娘は十四五で、武家育ちであるらしいことは其の風俗ですぐに判ったんですが、大勢の人をかきわけて、その蛇のそばへ寄ったかと思うと、みんなの口から思わずあっという声が出た。それは無理もありません。その若い娘は単衣の右の袖をまくりあげて、真っ白な細い手を蛇のとぐろのまん中へぐっと突っ込んだとお思いなさい。まだ十四五の小娘ですから、手の先どころじゃない、二の腕のあたりまでするすると這入って……。気の弱いものは見ただけでも慄然として、眼を塞いでしまいたい位ですが、娘は平気でその白い腕を蛇のとぐろのなかへ入れてしばらく探りまわしているようでしたが、やがて何か掴み出したので、息を殺して見ていた人たちは又わやわやと騒ぎ出して、娘の手に持っているものを寄りあつまって覗いてみると、それはひと束の真っ黒な切髪で、たしかに若い女の髪の毛に相違ないので、大勢は又あっと云う。