Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
「この引き摺り阿魔め。亭主の留守に近所隣りへ鉄棒を曳いてあるいていて、大事の子供を玉無しにしてしまやあがった。さあ、生かして返せ」
由五郎はふだんから人並はずれた子煩悩で、ひと粒種の由松を眼のなかへ入れたいほどに可愛がっていた。その可愛い子が留守の間に頓死同様に死んだのであるから、気の早い職人の彼は、一途にそれを女房の不注意と決めてしまって、半気違いのようなありさまで彼女に食ってかかったのも無理はなかった。
「さあ、亭主の留守に子供を殺して、どうして云い訳をするんだ。はっきりと返事をしろ」
彼はそこに居あわせた人達が止めるのも肯かずに、又もや女房をつづけ打ちにした。さなきだに可愛い子の命を不意に奪われて、これも半狂乱のようになっている女房は、亭主に激しく責められて、いよいよ赫と逆上したらしい。彼女は蒼ざめた顔にふりかかる散らし髪をかきあげながら、亭主の前へ手をついた。
「まことに申し訳ありません。きっとお詫びをいたします」
切り口上にこう云ったかと思うと、かれは跣足で表へとび出した。その血相が唯ならないと見て、居あわせた人達もあとから追って出たが、もう遅かった。