Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
おとわは結局かれを物置へ連れ込んで住まわせることにした。男はときどきに抜け出して何処へかゆく。そうして、又ふらりと帰ってくる。不思議なことには、かれは好んで生魚を食う。勿論、普通の煮物や焼物も食うのであるが、そのほかに何か生物を食わせなければ承知しない。かれは生魚を頭からむしゃむしゃ食うのである。かれはふところに匕首を忍ばせていて、生魚を食わせないと直ぐにそれを振り廻すのである。それにはおとわも困っているらしい。お千代も気味を悪がって、なんとかして暇を取りたいと思っているが、主人からは余分の心付けをくれて、無理に引き留められるので困っている。どう考えても、あの男は一種の気ちがいに相違ない。しかし主人とどういう関係にあるのか、それはちっとも知らないとお千代は云った。
それにしても、そんな怪しい人間が出這入りするのを、近所で気が付かない筈はないと半七は思った。その詮議に対して、お千代はこう答えた。かれは昼のあいだは物置に寝ていて、日が暮れてから何処へか出てゆく。帰ってくる時も夜である。ここらは人家が少ない上に、大抵の家では宵から戸を閉めてしまうので、今まで誰にも覚られなかったのであろう。