Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
そこへちょうど風呂がまた毀れて、娘が車湯へはいりに来たので、勘蔵はもうたまらなくなって、その背中を流しながらうまく誘い出したんです」
「娘はひとりで女湯へ来たんですか」と、わたしは訊いた。
「いいえ、一人じゃありません。女中が一緒に付いて来たんですが、こいつが柘榴口の中で町内の人と何かおしゃべりをしている間に、勘蔵がこっそりと娘の耳へ吹き込んでしまったんです。娘ももうちっと仮病をつかっていれば、なんにも間違いはなかったのかも知れませんが、陽気もだんだん暑くなって来るので、もう我慢が出来なくなって、うっかり車湯へ出て行ったのが運の尽きです。橋場へ案内してやると嘘をついて、夜ふけに娘を誘い出して、勘蔵は品川にいる自分の友達の家へ連れ込もうとしたんですが、橋場と品川ではまるで方角が違うので、なんぼ世間知らずの娘でも少し変に思ったらしく、途中でぐずぐず云い出したので、勘蔵もだんだんじれ込んで、無理無体に娘を引き摺って行こうとすると、娘はいよいよ怖くなって、声をあげて逃げ出すという始末。いや、こうなるとおそろしいもので、勘蔵はもう逆上せてしまったんです。もし云うことを聞かないときには嚇かして手籠めにする積りで、隠して持っていた小刀をいきなり抜いて、いっそひと思いにと娘の胸をえぐってしまった。