Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
師匠の御新造がさすがに気の毒がって、泣いているお直をなだめて帰してやったが、一人で帰すのはなんだか心もとないので、お力という近所の娘を一緒につけて出すと、お直は途中で不意にお力のそばを離れて横町へ駈け込んだまま姿を見うしなってしまった。それはきょうの午頃のことで、お直はそれぎり自分の店へも戻らないのであった。
お粂がそれを知ったのは夕方のことで、もしやこちらにお直は来ていないかと甲州屋から聞きあわせに来たので、だんだんその仔細を訊いてみると、それが手習いの帰りにゆくえ不明となったことが初めて判った。殊に前に云ったような事情があるだけに、お粂も一種の不安を感じて、日が暮れてから甲州屋をたずねると、お直はまだ帰らないとのことであった。親たちも心配して、親類や友達などの心あたりを方々聞きあわせたが、彼女はどこへも立ち廻った形跡はなかった。
稽古帰りに無断でよそへ廻るなどは、今までかつて例のないことであると、甲州屋では云っていた。念のために師匠のところへも報らせてやると、小左衛門の御新造のお貞もおどろいて駈けつけて来たが、どの人もただ心配するばかりでどうする術も知らなかった。