Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
ふだんから普通の奉公人でないらしく思われているだけに、近所ではまたいろいろの噂を立てた。検視の役人は出張した。自分の縄張り内であるから、半七もすぐに駈け付けた。
俳諧師の庵というだけに、家の作りはなかなか風雅に出来ていたが、其月の宅は広くなかった。門のなかには二十坪ほどの庭があって、その半分は水苔の青い池になっていた。玄関のない家で、女中部屋の三畳、そのほかには主人が机をひかえている四畳半と、茶の間の六畳と、畳の数はそれだけに過ぎなかった。近所ではこの椿事をちっとも知らなかったのであるが、かの道具屋の惣八が早朝にたずねて来て、枝折戸のようになっている門を推すと、門はいつものように明いたので、なんの気もつかずにはいって行くと、松の木の根もとに女の帯の端がみえた。不思議に思って覗いてみると、その帯は紅い尾をひいたように池の薄氷のなかに沈んでいるのであった。試みにその帯の端をつかんで引くと、それは人間のからだに巻きついているらしい手応えがしたので、惣八はびっくりした。
まえにも云う通り、玄関のない家で、すぐに四畳半の座敷へ通うようになっているので、惣八はあわててその雨戸を叩こうとすると、それまでもなく、雨戸は末の一枚が半分ほど明けてあったので、彼はそのあいだから内をのぞくと、小さい机は横さまに傾いて倒れて、筆