Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
これで片が付いたと思っていると、三日ほどの後に又もやお葉が迎えに来たので、惣八は何ごころなく行ってみると、其月がひどくむずかしい顔をして待っていた。そうして、おまえは多年わたしの家に出入りをしていながら、実に怪しからん男だ。あんないかさま物を持ち込んで来て、人をぺてんにかけるとは何事だと、あたまから呶鳴りつけた。惣八は面喰らって、その仔細をだんだんに聞き糺すと、かの金魚は普通のもので、湯のなかで生きるものではないというのであった。なるほど、ここで試した時には無事であり、先方へ持って行って試した時にも無事であったが、金魚は二匹ながらその翌日死んでしまった。察するにこれは普通の金魚の肌へ何か薬をぬりつけて、一時を誤魔化したものに相違ない。その薬がだんだん剥げるにしたがって、金魚は弱って死んだのであろう。そんな騙りめいたことをして済むと思うか。第一、売り先に対してわたしが面目を失うことになる。この始末はどうしてくれると、其月はひたいに青い筋をうねらせて手きびしく責めた。
「親分の前ですが、その時はまったく困りましたよ」と、惣八は今更のように溜息をついた。