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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme

Aozora Bunko

それは子分の松吉であった。

「親分、いま帰りました」

「やあ、御苦労、寒かったろう。まあ、火のそばへ来い」

「まったく冷えますねえ。風はないが、身にしみます。近いうちに雪かも知れませんよ」と、松吉は店へあがって炉のまえに坐った。

「この寒空に金魚を売ろうの、買おうのと、つまらねえ道楽をするから、いろいろの騒動が出来するんだ」と、半七はにが笑いした。「そこで、どうだ。ちっとは当りが付いたか」

「まあ、こんなことですがね」

松吉が首を伸ばしてささやくのを聞くと、其月の家の女中のお葉は千住の荒物屋の娘で、家にはおまんという母と、今年十三になる源吉という弟がある。お葉は一昨年の春から初奉公で近所の水戸屋という煙草屋の女中に住み込んだ。水戸屋は古い店で、商売のほかに田地などを持っているので、土地でも相当に幅をきかせていたが、主人は四、五年前に死んで、今はおむつという女あるじである。お葉はそこに小一年ほど奉公していたが、その年の暮に暇を取って、あくる年の三月からお玉ヶ池の其月の家へ二度目の奉公をすることになった。お葉が水戸屋を立ち去ったのは、自分の方から暇を取ったのではない。