Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
太田を出た御用の松茸は、上州から武州の熊谷にかかって、中仙道を江戸の板橋に送り込まれるのが普通の路順で、途中の村々の若い百姓たちはみなその人足に徴発されて、宿々の問屋場に詰めるのが習いであった。安吉もやはりその一人で他の人足仲間と一緒に宿の問屋場に詰めていたが、横着者の彼はあとの方に引きさがって悠々と煙草をのんでいた。やがて松茸の籠がこの宿に運び込まれたので、待ちかまえていた人足どもは一度にばらばら起ち上がった。早く早くと役人たちに急き立てられて、安吉もくわえ煙管のままで駈け出して、籠に通してある長い青竹を肩にかついだが、啣えている煙管の始末に困ってかれは何ごころなくそれを松茸の籠の結縄にちょっと※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28) しこんで、そのままわっしょいわっしょいと担ぎ出した。なにをいうにも大急ぎであるので、その籠を次の宿へ送り渡したとき、かれはその煙管を取ることを忘れてしまった。
それが次の問屋場で発見されたので、その詮議がむずかしくなった。献上の松茸の籠にきたない脂煙管が挟んであったというので、問屋場の役人らは勿論、立ち会いの名主や百姓共も顔の色を変えた。