Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
刃物におびやかされ、更に半七に追いつめられた。丙午の問題だけならともかくも、彼にはそれよりも重大な松茸の問題があるので、一生懸命に逃げまわった末に、とうとう不忍の池の底へ自分の命を投げ込んでしまったのであった。
ここまで話して来た時には、お鉄の涙ももう乾いていた。かれが更に半七を屹と見あげたひとみには一種の強い決心が閃めいていた。
「そういう訳でございますから、たとい相手に傷は付けませんでも、御法通りにお仕置を願います。唯わたくしの一生のお願いは、若いおかみさんの事でございます。どうでわたくしは、あんな奴に滅茶滅茶にされた身体でございますから、どうなってもかまいませんけれど、丙午のことが世間に知れまして、もしも御離縁にでもなりますようですと、おかみさんもきっと生きてはおいでになるまいと存じますから」
「よし、判った」と、半七は大きくうなずいた。「おまえの料簡はよく判っている。おれが受け合った。決しておめえの主人に迷惑はかけねえから、安心しているがいいぜ」
「ありがとうございます」と、お鉄はまた泣き出した。
お鉄の忠義に免じて、半七は加賀屋に関する事件をいっさい発表しなかった。