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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme

Aozora Bunko

いずれにしても婆さんの方は何事を仕向けるのでもない。ただ黙ってゆき違うばかりで、不運の者はその一刹那におそろしい災難に付きまとわれるのであった。

眼にも見えないその怪異に取り憑かれたものは、最初に一種の瘧疾にかかったように、時々にひどい悪寒がして苦しみ悩むのである。それが三日四日を過ぎると更に怪しい症状を表わして来て、病人はうつむいて両足を長くのばし、両手を腰の方へ長く垂れて、さながら魚の泳ぐような、蛇の蜿くるような奇怪な形をして這いまわる。さりとて家じゅうを這いまわるのでもない。大抵は敷蒲団の上を境として、その上を前へうしろへ、右へ左へ蜿うつのである。それが魚というよりむしろ蛇に近いので、看病の人たちはうす気味悪がった。思いなしか病人の眼は蛇のように忌らしくみえて、口から時々に紅い舌をへらへらと吐く。こうした気味の悪い病症を三日五日も続けた後に、病人の熱は忘れたように冷めてけろりと本復するが、病中のことはなんにも記憶していない。なにを訊いても知らないという。しかしそれらは軽い方で、重いのになるとその奇怪の症状を幾日も続けているうちに、とうとう病み疲れて藻掻き死にの浅ましい終りを遂げる者もあった。