Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme
それが僅かに一人や二人であったならば、蛇を殺した祟りとでも云われそうなことであったが、なにをいうにも大勢であるために、その病人をことごとく蛇を殺した人間と認めるわけにも行かなかった。殊にそのなかには蛇を殺すどころか、絵に描いた十二支の蛇を見てさえも身をすくめるような若い娘たちもあったので、蛇の祟りと決めてしまうことは出来なかった。
「と云っても、あの蜿くる姿はどうしても蛇だ」
こっちに祟られるような覚えがなくても、向うから祟るのであろう。蛇に魅こまれるという伝説は昔からたくさんある。どう考えてもあの婆さんはやはり蛇の化身で、なにかの意味で或る男や或る女を魅こむに相違ない。この説が結局は勝を占めて、怪しい老婆の正体は蛇であると決められてしまった。それが更に尾鰭を添えて、ある剛胆な男がそっと彼の婆さんのあとをつけて行くと、かれは不忍池の水を渡ってどこへか姿を隠したなどと、見て来たように吹聴する者もあらわれて来た。不忍の弁天に参詣して巳の日の御まもりをうけて来た者は、その禍いを逃がれることが出来るなどと、まことしやかに説明する者もあらわれた。
それが町方の耳にはいると、役人たちも打っちゃって置くわけには行かなくなった。