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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 201.612 Zeichen · 405 Bildschirme

Aozora Bunko

その眼つぶしが効を奏して、おたずね者の石原の松蔵は両腕に縄をかけられたのである。この時代でも捕方に助勢して首尾よく罪人を取り押えたものにはお褒めがある。その働き方によっては御褒美も下されることになっていた。ましてお駒は男でない、賤しい勤め奉公の女として、当座の機転で罪人を撃ち悩まし、上に御奉公を相勤めたること近ごろ奇特の至りというので、かれは抱え主附き添いで町奉行所へ呼び出されて、銭二貫文の御褒美を下された。

遊女が上から御褒美を貰うなどという例は極めて少ない。殊にそれがいかにも芝居のような出来事であっただけに、世間の評判は猶さら大きくなった。一度は話の種にお駒という女の顔を見て置こうという若い人達も大勢あらわれて、お駒を買いに来る者と、ほかの女を買ってお駒の顔だけを見ようという者と、それやこれやで伊勢屋は俄かに繁昌するようになった。それはお駒が二十歳の冬で、それから足かけ三年の間、かれは伊勢屋の福の神としていつも板頭か二枚目を張り通していた。そのお駒が突然に冥途へ鞍替えをしたのであるから、伊勢屋の店は引っくり返るような騒ぎになった。土地の素見の大哥たちも眼を皿にした。