Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

一太郎君が、へんな顔をして、いいしぶりました。

「ね、そんなことは度々あったんだろう。それだのに、さきおとといの晩にかぎって風をひいたのはなぜだろうね」

そういわれて、一太郎君もわけがわからなくなって来ました。

「まあ、風をひくわけもいろいろあるが、君の場合は、僕はこう考えるね。さきおとといの晩、お湯から出ると大いそぎで服を着た。少しでも早く北村君のところへ行って飛行機の相談がしたかったからだ。ね、そうだろう。だから君は、体をいつものようによくふかなかったんだ。いいかげんにふいて、すぐ服を着てしまったんだ。え、そうじゃないのかい」

なるほど、その通りです。高橋さんはまるで名探偵みたいです。一太郎君がうなずくと、高橋さんはにこにこして、いいました。

「だから君の体には、いつもよりは水分が多かった。水分が多ければ風にふかれて蒸発する分量も多いわけだね。蒸発する分が多ければ、熱もよけいにいるわけだね。そこで君はぞーと、寒気がして、風をひいてしまったというわけなんだよ。わかったかい。お湯から出たら、いくらいそいでいる時でも、体をよくふいて、皮膚の水分をできるだけ少くすること。