Japanische Klassiker mit Furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme
お前にこんなまねができるかね。いや、どんなえらい大人にだって、こんなすばらしい仕事はなかなかできやしないんだよ。
それにあの網のきれいなことをごらん。まるで定規とコンパスをつかってかいた模様のように美しくできているじゃないか。感心な虫だとは思わないかね」
いわれてみますと、なるほどびっくりするほどえらい仕事をする感心な虫だということが、一太郎君にもわかってきました。
「まだそれだけじゃない。この虫はもっとえらいことをするんだよ。伯父さんが橋をかけるといったのは、あのむこうの枝から、こちらの枝にはってある二本のふとい糸のことなんだが、蜘蛛はどうしてあの二本の糸をかけると思うね。これは謎ではないが、なかなかむずかしい問題だよ。お前に考えられるかい。枝と枝の間には、蜘蛛のからだの何百倍というはばのある小川が流れているんだよ。人間でいえば、隅田川ぐらいの大きな川なんだ。
蜘蛛には、この流の早い川を泳ぎわたることなんか、とてもできやしない。といって、蝶やとんぼのように飛ぶこともできない。それなのに、蜘蛛の糸は川のむこう側から、こちら側へ、ちゃんとはってあるじゃないか。