Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

目にうつっている大きさは、少しもちがわないのだ。

だが、それだけじゃない。それよりも、もっと大きなわけがあるのだよ。それは口でいうよりも、実験してみると、一番よくわかる。さあ、こちらへ来てごらん。ちゃんと用意がしてあるんだよ」

高橋さんは、そういって、縁側から立ち上ると、一太郎君をつれて、庭の奥の方へ歩いて行きました。木立の間を通りすぎると、そのむこうに、野菜の作ってある、ひろい空地があります。月は出ていても、まだ夕方ですから、小さなものまで、よく見えるのです。

「おや、ゴム風船ですね。めずらしいなあ。今こんなもの、どこにも売っていないのですよ」

「僕の友だちで、前にこういうものの製造をしていた人があってね、そこの棚のすみに残っていたのを、手に入れてきたのさ」

「あれ、あんな高い所にもありますね」

「うん、二つなくては実験ができないのだよ。両方とも水素瓦斯を入れて、一ぱいにふくらませてあるんだ」

真赤なゴム風船が二つ。一つは畠のむこうのすみの、地面から一米ほどの高さに、一つはこちらの空高く、フワリと浮いています。両方とも糸でしばって、石のおもりがつけてあるのです。