Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

「ずいぶん高いですね。どうして、あんなに高く上げてあるのですか」

「実験をするためだよ。さあ、君はここにじっと立っているのだよ。そしてね、あの畠のむこうにある風船と、頭の上にあがっている風船とを見くらべるのだ。

むこうの風船は、ちょうど君の目の高さぐらいのところに浮いているね。こちらの風船は君の頭の真上にある。

さあ、見くらべてごらん。まず頭をまっすぐにして、むこうの風船を見、それから、上を向いて空の風船を見るのだ。よしよし、それでいい。どちらが大きく見えたね」

一太郎君は、幾度も上を向いたり、前を見たりしたあとで、答えました。

「むこうの風船の方が、ずっと大きく見えます」

「そうだろう。さて、今度は空に上っている風船の糸をたぐって、だんだん引きおろすからね。君はたえず、両方の風船を見くらべていて、ちょうど同じぐらいの大きさに見えた時に、『よし』といって合図をするんだよ。さあいいかい、はじめるよ」

高橋さんは一太郎君のうしろに立って、そろそろと風船の糸をたぐりはじめました。

「まだ同じ大きさにならない?」

「うん、もう少し」

「まだかい?」

「よし、そこでいい。