Japanische Klassiker mit Furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme
むこうから、よーしといったら、レールへ耳をつけるんだよ」
一太郎君がレールのそばに、しゃがんでいますと、伯父さんは土手の上を四十メートルほどむこうまで走って行って、立ちどまり、そのへんの小石をひろったかと思うと、その手を高く上げてあいずをしながら、「よーし」と大声にさけびました。
一太郎君はその声を聞くやいなや、土手の上に横になって、顔は伯父さんの方をむけたまま、一方の耳を赤さびのレールの上に、ぴったりとくっつけました。
伯父さんは、もう一度「いいかい」とさけんでおいて、右手に持った小石で、力をこめてレールをたたきました。
すると、一太郎君の耳にその音が「ガーン」とひびいて来ましたが、ふしぎなことには、すぐそれにつづいて、少し小さい音で、またカーンときこえたのです。伯父さんは、たしかに一度しかレールをたたかなかったのに、音は二つきこえたのです。
「もう一度やってみるよ。いいかい」
伯父さんはそうさけびながら、手であいずをしておいて、またレールをたたきました。すると一太郎君の耳には、やっぱり「カーン、カーン」と大小二つの音が重なりあうようにしてきこえて来ました。