Japanische Klassiker mit Furigana
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とうおういぶん
東奥異聞
佐々木 喜善
Lesen Sie 東奥異聞 (とうおういぶん) von 佐々木 喜善 (ささききよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.862 Zeichen · 124 Bildschirme
万治は名人で日に幾十とないえものをとりなかなか羽振りもきく男であったが、磐司のほうはどうも仕事が下手で終日山を歩いても一匹のシカさえ捕らぬことがときどきであった。ところがある日万治が狩り山へゆくと、途中に美しい女が産をして血だらけになって苦しんでいる。万治がそこに通りかかると女から助けを乞われたが、狩猟には死日よりも産日の穢れを忌むのであるからすべなくその言葉を断わってそのまま山へいった。そのあとから磐司がそこに通りかかると、やはり女から救いを求められたので、なんのいやな顔もせずなにくれとなく親切に女を世話介抱して首尾よく子を産ませた、産んだ子らは十二人であった、女人はいたく喜んで汝にこれから山幸を授けてやろうと言い、磐司とおまえの名まえを称えたら、それは山幸の手形であるぞといわれた。それから磐司には日々つづいて大きな山幸がある。それを磐司が記念清浄にするために、月の十二日を休んで女人に対する謝礼の祝日とした(1)。後世では狩人はそれを年に一度十二月の十二日だけを祭日にするようになり、またそれが後世に移って十二月十二日にはいっさい山入りできぬ日、この日に山へいったら禍いがあるというような狩人ばかりではなく農家一般の山に対する忌日のような形になった(2)。