Japanische Klassiker mit Furigana
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とうおういぶん
東奥異聞
佐々木 喜善
Lesen Sie 東奥異聞 (とうおういぶん) von 佐々木 喜善 (ささききよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.862 Zeichen · 124 Bildschirme
自分は子どものじぶんにその真によき例を目撃したことがある。それはいつものとおり自分の村の話ばかりで気がひけるが、資料の価には遠近あるまいとひとりで勇気をつけてさていおう。所は岩手県上閉伊郡の私の村と隣村栗橋村との境の山に死助権現というややピラミッド形のかなり高い山がある。その頂上に石の権現頭が両村を等眼に横眼して鎮座していたのを、向こうの衆はこれはおらが領分のものだといって、由緒をぺらぺらしゃべりつつ村総出でいわゆる千曳きにかけてとうとう自分の村の区域のその山の腰に引き下げてしまった。これではならぬとおらが村の衆もやっきとなり村告げて死助峠に押し出したまではよかったが、どうもよく聞けばもともとあの村の何某という昔の人の寄進の権現だということが台石かなにかに彫刻されてあるのが動かされぬ証拠となっておらがほうの負け、なんだそんな石がほしかったらいくらもやるというておらほうの若者ども頂上から大石をいくつも転倒させて引っ返したということがある。明治二十七、八年の人気がいやに殺気だっていたじぶんの話だ。
大正十一年五月九日、山本鹿州氏から聞いた話に、ただいま同氏のおられる陸中釜石町の字中妻という所に松倉さまと称する大きな自然石の神があり、この石神は元の社気仙郡荒川村の山上から一夜のうちにここに飛んできたものだという