Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.285 Zeichen · 330 Bildschirme
「刀法では強いだろう、酒なんか弱くったって卑下するには及ばないさ、一ついこう」七十郎は酌をしてやった、「ときに、――供の一人は万右衛門という男じゃあないか」
「知っておられたのか」
「小人の万右衛門といえば、あの事件で剛勇の名が高かった、ひとつここへ呼んでいっしょに飲むとしよう」
七兵衛は手を振った、「せっかくではあるが、あれは少し酒癖が悪いし、供の者を同座させることは」
「作法のやかましい人だな」と七十郎は笑った、「では河原へゆこう、やがて月も昇るだろうし、まだ河鹿が聞けるかもしれない、河原なら万右衛門も同座していいだろう」
「そういう酒はまだ飲んだことがないのだが」
「ではきまった、支度をさせよう」七十郎は宿の者を呼んだ。
酒とさかなを宿の者三人に持たせ、万右衛門を伴れて、かれらは白石川の河原へいった。
白石川は夏涸れで、水が少なく、乾いた大きな石の、いちめんにころがっている広い河原を、水は幾条かに割れたり、大きく蛇行したりしながら流れてい、それでも遠く近く、かなり高い瀬音が聞えていた。かわらよもぎに囲まれた、小石まじりの、平らな場所に席を占め、酒肴をひらいて、三人は飲みだした。