Japanische Klassiker mit Furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
帰って来てしまいましたの。
お前たちを、食い物にするような人たちだから、決して近づいてはいけないって……お前たちの頼る人は、やっぱりユーゴのお祖父様や、叔父様叔母様のほかにはないって、いいましたの」
と、もっともっと、淋しそうな顔をしているのです。
「もともと父は、帰りっ切りに日本へ帰るつもりはなかったのです。せっかく帰って来たのだから、三、四年くらいいてまたユーゴへ戻ろうって! ……そして二、三年おきにユーゴと日本をいったり来たりするつもりでいましたの。ですから初めはこの家もこんなところへ住むつもりではなくて、ホテルを作るのに、父が出入りに不自由なもんですから、ほんの夏場の別荘のつもりで、建てただけなんですの。温泉が湧くものですから、やがてユーゴへ帰ったら、また祖父をつれて遊びに来るつもりで……」
「ほうここに、温泉が湧くんですか?」
「お気づきになりませんでして……?」
とジーナがおかしそうにほほえみました。
「昨日お入りになったの、あれ、温泉ですのよ」
いわれてみれば、私にも思い当るところがあります。西洋人やあちら帰りの人の風呂といえば、日本人の大嫌いな西洋風呂なのですが、ここの家の風呂だけはゆったりと大きくて、窓の色硝子や広い洗い場や、おまけにタイルの浴槽からざぶざぶと湯がこぼれて、まるで温泉場みたいだ