Japanische Klassiker mit Furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
七
私は父の手紙を受け取って初めて、楽しい夢幻の世界から、また現実の儘ならぬ世界へ、引き戻されたような気になりました。ともかくその手紙を見せて名残は惜しいが一先ず帰京することに決めました。ジーナもスパセニアももうしばらくいらっしゃい……もうちょっとと引き留めて已みませんでしたが、そういうわけなら親御さんも心配しておいでだろうから、お帰りになるのも已むを得ぬ。その代り、夏休みになったらまたぜひ、遊びに来ていただいたらいいじゃないか……という父親の言葉に、不承不承承知して、途中まで送って来てくれることになったのです」
「それで、お帰りになったというわけですね?」と、私がうなずいた。
「そうなんです。……それで娘たちは、大野木まで送って来てくれたのですが……」
と、いいかけて、病青年は言葉を切った。
「そう、そう……一つ、いい残していることがありました。どうしても忘れられないのは、その発つ前の日に……そのことも、もう一つ、申上げておきましょう」
七
その父親からの手紙が来て、いよいよ帰ると決まったら、娘たちはやいやいいいましたが、結局父親が言葉を挿んで今いったとおり、帰ることにしました。