Japanische Klassiker mit Furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
八
それに答えているうちに、車はカーブを切って石礫だらけの山角を曲って、到頭姿は見えなくなってしまいました。
私は襟飾りを拾い上げて、やっと座席に座り直しましたが、これが二人との別れだったのです。眼を閉じると今でも手をふって、別れを惜しんでいたジーナの姿が、ありありとうかんできます。馬上に身を伏せて、必死に手綱を絞っているスパセニアの姿も、ありありとうかんでくるのです。しかもその時私は、この別れがこんな凄まじい結果を齎そうなどとは、夢にも思ってはいませんでした……。
八
東京へ帰ってからも、どんなにこの姉妹の俤が、眼の前に躍って離れなかったか知れません。うかうかと、大分遊び暮してしまいましたから、帰って来れば、スグ学校へ出なければなりませんし、友達からノートを借りて遅れていた講義の整理もしなければならず、一週間十日は、眼の回るような忙しさでした。
が、その忙しい間も、あるいは従妹たちが遊びに来て家中で食事している時も、一緒に笑いもすれば、また従妹が何か聞けば、受け答えもしていましたが、心の中では寸時も忘れずジーナとスパセニアの俤を偲んでいたのです。
父も母もハッキリと、口へ出したわけではありませんから、あるいはこれは私だけの思い過ごしかも知れませんけれど、父母は行く行くはこの従妹を、私と結婚させるつもりでいた