Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
「あれから七年、……もう誰も、生きているわけもありませんわ。殺されているのか、乞食のようになって、国内のどこかで死んでしまったのか? ……おわかりでしょう? 父はここを離れることが、できないのですわ。ここを処分して、新しい住居へ移ることが、できないのですわ。ここならば、祖父も叔父も叔母もみんな、住所を知っています。ここを動いてよそへいったら、もし自分を頼って日本へ落ちのびて来た場合、さぞみんなが困るだろうって……。
もうホテルの夢もなければ、観光地の夢も何もなくて、ただ祖父や叔父叔母みんなの消息だけを待っているのですわ。どうしても諦めがつかなくて……今日は亡くなった知らせが来るか、明日は乞食のようになって、誰か頼って来るかって……。
お前たちは若いのだから、こんなところにいる必要はない、長崎へお帰りって……でも……父を見棄てて、どうしてわたくしたちばかり、そんな賑やかなところへ帰れましょう? いますわ……いますわ……わたくしもいますし……スパセニアも、いますわ……父と一緒に……一生涯でも! ……もうわたくしたちには、ここを離れて、帰るところは……どこにも……ありませんわ……」