Japanische Klassiker mit Furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
触れた時のことでした。
「どういうのか僕の家には、昔から色んなうわさが伝わっていましてね、あすこの家は一代に変死人が必ず一人は出るとか、幽霊が出るとか」
と、慨嘆的な幾分嘲るような調子でした。もちろん私たちは大村土着の人間ではありませんし、まさかそんなうわさ話なぞは知らないと思ったのでしょう。が、さりとて別段それ以上のこまかしいことを言い出すでもなく、何かのはずみから、ただ青年らしい若々しい慨嘆口調で言い出したに過ぎないのです。
「でもオヤジだって、そんな妙な死に方なんぞしてやしませんし……ですからそんなバカバカしいうわさよりも、今でも僕にわからないのは……」と言おうか言うまいかという風に青年は考え深い眼をしました。
「姉の死んだことなのです」
「へえ、あなたに姉さんがおありでしたか? ちっとも知りませんでしたねえ」
「あったんですよ、子供の時から脇へ預けてありましたから、あなた方は御存知なかった」
と、青年は淋しげにほほえみました。親の許へ帰ったのは、その姉が十三の年だというのですから、もう私たちが大村を立ち去った後のことだったのでしょう。なぜよその家へ姉が預けてあったかなぞということも、もちろん青年は言いません。