Japanische Klassiker mit Furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
母と離れて暮す二週間……この間に何とか父に頼んでみようと思いました。そして、道後へ着いてからも、毎日毎日退屈な日を、父の謡を聞かされたり、碁の相手をいいつかったりして暮しながら、何と父に持ちかけようか? とその機会ばっかり窺っていました。
道後へ来てから、五、六日もたった頃でしょうか?
「どうだ退屈したか?」
「退屈はかまいませんけれど……お父様! 僕は少しお父様に、相談があるんです。……友達のところへ、ここへ来てるといってやったら、ここまで来てるんなら、寄ってくれたっていいじゃないか? といって来たんです。僕、いって来てもいいか知ら?」
「いって来たらいいじゃないか!」
と、父は好きな唐詩撰を読んで、殊に機嫌がいいのです。
「だっていけばスグには帰れませんから、三日ぐらいかかりますよ、かまわないか知ら?」
「三日?」
と初めてびっくりして本から眼を離しました。
「なんだ、ここじゃないのか?」
「山口県の宇部というところなんです。一緒に宇田中の温泉へ行こうと、楽しみにして来てるんです。特別親しくしてるもんですから……」
「宇部とは遠いのう! お父さんひとりスッポカシテ、そんなところへ行かんだっていいじゃないか! お母さんだって、お前ひとりやれば心配されるだろうし……」