Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
「誰だ、そこにいるのは!」
と夢中で精一杯の気力を奮い起しました。その声に驚いて、次の間から看護婦が飛んで来てスタンドを拈っても、ただ、スタンドが天井に大きな影を投げているだけで、家の中は森閑として、深夜の眠りを眠っているだけなのです。誰もいはしないのです。が、確かに閉めておいたはずのそこの障子が、半分ばかりあいているのを見た時には……。
「まあ、誰か知ら? あんなとこをあけて!」
と看護婦がびっくりして叫んだ時には、またゾゾーッと、頭から冷水をブチかけられたような気がしたのです、先生……私の家には、看護婦が二人おりますでしょう? 仰々しく二人置いてあるわけではないのです。一人でいいのです……一人でいいのです……けれども一人でいるのなら暇を欲しいと、それ以来、看護婦が怯え切っていますので……」
そしてしばらく言葉を切って、胸を休めていた。
「……ジーナが来たのかスパセニアが来たのか……それはわかりませんけれど……もう今度来た時には……今度来た時には……もう私はこの世に生きてはおり……ません……」
これで、青年の話は終った。もう一度繰り返すが、青年が亡くなったのは、それから一週間か十日目ぐらいではなかったかと覚えている。