Japanische Klassiker mit Furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
万里の波濤を俯瞰し睥睨する大ホテル現出の雄図、空しく挫折した石橋弥七郎氏の悲運に同情するもの、ただひとり故柳田青年のみならんや!
見終って、地下工事場跡へ歩を転じた時、水番の六蔵の出迎え来たったに逢う。
「到頭あのお若けえ書生さんも、お亡くなりなせえやしたか? そりゃまあ、お気の毒なこんで……さぞ親御様も、お嘆きでござらっしゃりましょう」
と朴直そうな六十爺は、湖岸から半道あまりを駈けつけて来た禿げ頭の汗を押し拭いつつ、悔やみを述べる。
「でもまあ、有難てえ、といっちゃ悪いでやすが、……こいでまあお嬢様お二人も、もうこの世に何にも思い残しなさることもねえようなわけで……今頃はお三人で、楽しく三途の川原ででも、遊んでおいででやしょう……なむまいだぶ……なむまいだぶ……」
六蔵に連れられて、牧田氏、都留氏ともども、地下工事場跡を見る……故石橋氏邸の焼け跡を見る……柳沼を見る。
壮大とか、瀟洒とか、幽邃とか、余計な形容詞なぞは、一切省くことにしよう、ことごとく青年の話の中に詳しいから。
ともかくこれらを見た私の感じを一言にしていえば、故青年が私に話してくれたところには、一点一画のウソも偽りもないということであった。