Japanische Klassiker mit Furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
あすこには昔仕置き場があって、殺された人の怨霊が迷ってるから、幽霊が出るんだよ、と何度やかましく注意されたかわからないのです。祖母の言うのには、棚田の何代目かの先祖に――確か四代目とかいったようでしたが、癇癖の強い、とても残忍な性質の家老があって、人を殺すことなぞ、虫ケラ一匹ひねり潰すほどにも感じてはいなかったというのです。奥方は早くに亡くなって、お気に入りの美しい腰元が身の回りの面倒を見ていましたが、この腰元さえも、自分のいうことを聞かないといって、責めて責め抜いた挙句の果てに、手討ちにしてしまったというのです。
今でも私が覚えているのは祖母の話を聞きながら、どうしても子供の私の腑に落ちなかったのは、なぜこの腰元を手討ちにしてしまったかということでした。高が自分の言うことを聞かないくらいのことで殺してしまわなくてもいいじゃないか! と不満に思わずにはいられなかったのでしたが、大人になるに従って祖母が細かく説明し得なかった、その辺の事情も、ハハア、なるほどな! と飲み込めるようになってきました。幼い私に聞かせるのは憚って、祖母が言葉を濁していた、そのお手討ちというのも横恋慕を聞かれなかった家老の嫉妬心からだったのでしょう。