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Japanische Klassiker mit Furigana

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たなださいばんちょうのかいし

橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme

Aozora Bunko

あちらこちらで梟がホーホーと啼いて、夜の七時といえば都会では、まだほんの宵の口です。銀座なぞは人で、さぞ雑踏しているでしょう。

が、この無人の高原地帯では、万籟寂として天地あらゆるものが、声を呑んで深い眠りに落ちているのです。私の越えて来た山でも野でも、もう夜の獣たちが暗に紛れて、ムクムクと頭をもたげている頃でしょう。若い娘二人で、よくこんなところに住んでられるもんだなと、思いました。

「怖くないんですか?」

とまた喉まで出かかって、私は呑み込んでしまいました。幾度聞いてみたからとて、そんなことは同じ返事だからです。優しい顔をしながら、肝の太いもんだなとつくづく舌を捲きましたが、娘二人は慣れ切ったもので、何の物怯じするところもなく、私に電蓄をかけて――父親が拵えたとかいう、電気代りの回転装置をかけて、耳慣れぬユーゴの流行唄の二つ三つを聞かせてくれたり、それが終るとまた三人で食卓を囲んで、湯気の出るスープや鶏のソテーや、新鮮なアスパラガスやセロリーのサラダなぞ……。

「こんな不便なところで、食べ物は、どうするんですか?」

と聞いてみましたら、別棟に住んでいる馬丁や農夫たちが、二日おき三日おきに馬で四里離れた大野木まで買い出しに行くというのです。