Japanische Klassiker mit Furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
四
スパセニアが番人にいい付けて、水門を開いて水を落して見せるのだと、私たちを離れて遥かの小舎の方へ駈け去っていった時でした。
この辺の地所もまたこの湖も、みんな父親のものだとジーナがいうのです。一体貴方のお父様という方は、どういう方なんです? 鉱山技師でありながら、こんなドエライ土地を持って、おまけにあんなすばらしい大工事をやりかけて、こんな湖までお買いになって……お母さんもおいでにならないで、……こんな淋しい山の中なぞに住んで……と堪らなくなって到頭私は、昨夜以来聞きたい聞きたいと思っていたことのすべてを、みんな一時に口へ出してしまいました。そしてその時初めて、ジーナから詳しい身の上を聞く機会を持ったのです。
四
「父は、ほんとうにえらい人ですわ。娘の口から、そんなことをいっては、おかしいかも知れませんけれど……どんな苦しいことがあっても、決して愚痴はいいませんし……」
と溜息を吐いて、ジーナは語り出しました。父親というのは、同じ長崎県でもここからは北の端れに当る、平戸島の人だというのです。漁師の家に生まれて貧しいために、学校の教育も碌々受けられないで、子供の時から漁師仕事ばかりしていたというのです。