Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
」
そうした叫びがつぎからつぎに起って、事態はますます険悪になって行くばかりであった。座長の田上は、何度か手をあげたり、卓をたたいたり時には立ち上ったりして、みんなを制止しようとしたが、まるで効果がなかった。それは廊下に陣取っている一団が、わざとのように騒ぎ立てるせいでもあった。その一団の中には、ふだん馬田と親しくしている生徒たちの顔が幾人かならんでおり、馬田は教室内ではあったが、すぐその近くの窓ぎわに席を占めていたのである。
とうとうたまりかねたように新賀が立ち上った。しかし、立ち上っただけでは十分でないと見たのか、いきなり生徒机の上に飛びあがり、隣りあった二脚をふみ台にして、大きく足をふんばった。廊下も室内も急にしずかになり、みんなの視線は一せいに彼に注がれた。彼はちょうど室の中央にいたので、みんなは銅像をとりまいてそれを仰いでいるような恰好であった。彼のふみ台になった机によりかかっていた生徒たちは、眼をまるくして真下から彼を見あげた。
彼は一巡みんなを見まわしたあと、――といっても、真うしろの方には視線がとどかなかったが、――低いゆっくりした、しかし威圧するような声で言った。