Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
次郎はもっとあびて行くかね。父さんは先に帰るよ。」
そう言ってさっさと水を出た。
次郎は、新賀と梅本の顔を見て、ちょっとためらったふうだったが、すぐ、
「僕、さきに失敬するよ。」
新賀も、梅本も、何か意味ありげに、大きくうなずいた。
間もなく俊亮と次郎とはならんで土手をあるいていた。水を出たばかりで汗は出なかったが、顔にあたる空気はいやに熱かった。
歩きながら、今度は次郎が、きょう学校での会合の様子を話し出した。彼の調子はかなり興奮していた。俊亮は、しかし、「うん、うん」とかろくあいづちを打つだけだった。西山教頭と曾根少佐とが委員会の席に乗りこんで来たことを話した時には、
「ほう、そうか。やっぱり配属将校がね。」
と、ちょっと興味をひかれたようなふうだったが、そのあとは、またうん、うんと答えるだけで、次郎にはまるで張合がなかった。
それでも、話してしまったら何か言ってくれるだろうと、次郎は期待していた。しかし俊亮は、
「先生二人を置き去りにするなんて、お前たちも心臓が強いね。」
と、笑ったきりだった。
次郎はとうとうたまりかねたように言った。
「配属将校が生徒をおどかしたり、県庁が父兄をおどかしたりするの、ほって置いてもいいんですか。