Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
しかし、大勢がこうなった以上、大したことはあるまいということで、血書は握りつぶしの肚をきめ、ただ朝倉教諭退職発令の直後を学校の内外で十分警戒しようということになったのである。
もっとも、西山教頭と配属将校とは、校長、県当局ほど楽観的ではなかった。二人に言わせると、すべては生徒たちの「戦術」であった。生徒たちは何か重大な方針を決定しているが、事前にそれを妨害されるのをおそれて、わざと平穏を装っている。その証拠には、留任運動の急先鋒であった生徒たちの沈默にもかかわらず、何でもない生徒たちは却って以前よりざわついており、何となく不安らしい表情をしている、というのである。
なるほど、そう疑って見れば見られないこともなかった。というのは、校友会の委員会が開かれなくなってからは、休み時間になると、校庭といわず、廊下といわず、あちらこちらに十人二十人と集まって何か話しあっており、先生の姿が近づくと急に散らばったり、だまりこんでしまって変に白い眼で先生の通りすぎるのを見送ったり、また中には、頓狂な声を出してみんなを笑わせたりすることが多かったし、授業時間中でも、どたばたと廊下をあるく生徒の足音が頻繁にきこえ、どの教室でも、生徒たちは茶化したような眼付をして先生の顔をのぞき、平気で私語する、といったようなふうになって来た